Microsoft、文教向けOS「Windows 10 S」発表

日本で普及なるか?

文教、すなわち文化・教育系の市場に向けて、MicrosoftがWindows 10シリーズの新エディション Windows 10 Sを発表しました。この「S」は、「Secure」「Superior Performance」「Soul」などの意味があるということ。「Student」などという安易な付与文字ではなさそうです。

日本ではあまりピンときませんが、米国では文教市場向けPCとしてChromebookが猛威を振るっているそうです。
日本の教育現場でのICT(Information and Communication Technology)と言えば、タブレット端末の導入を多く耳にします。
少し古いデータですが、2016年3月時点で全国の小中学校・高校に約25万台配備されているようです。
全国の小中学生・高校生が1300万人を超えていることを考えると、まだまだ満足な状況とは言えなさそうです(ここでは普通のPCの配備数を鑑みていません)。
(そもそも学校が導入するタブレットってしょーもないスペックのばっかり)

話が逸れましたが、そういうことでChromebookのシェアが高まっている市場に、Microsoftが新しい武器をもって殴り込みにきた、という構図です。

Windows 10 S、何ができるのか?

Windows 10 S(以下Win10 S)最大の特徴は、Windowsストア経由でしかアプリをインストールできないということでしょう。余計なアプリを入れられるルートが一気に狭くなります。ストアにもゲームなどはありますが、Microsoftが審査をしているのでセキュリティ面においては一定の信頼がおけます。

ストアにさえあれば、Win32アプリケーションもインストールできるようです。
逆に、一般的なWin32インストーラを弾いていると考えればIMEなども入れ替えができないでしょう。ちょっと不便かな。

また、規定のブラウザもEdge以外に設定できないようです。
現時点ではChromeやFirefoxなどメジャーなブラウザはWindowsストアでは配布されていないので、Win10 SユーザーはIE11またはEdgeを主に使用することになりそうです。

Win10 Sが普及すれば、文教向けシステムもEdgeで動作確認すれば大半は大丈夫みたいな風潮になりそうな気もします。IE一桁は早く滅んで。

ちょっと面白いな、と思ったのがWin10 SはWin10 Proに搭載されているBitLockerなど一部の機能が使えるとのこと。
さらに、無線LANなどの設定をUSBメモリに保存して、そいつを挿して回れば大量のPC設定も楽になりそうだというのです。
Win10 SからはWin10 Proにしかアップグレードできないということもあり、単なる機能制限版エディションと一概には言えなさそうです。

…言えなさそうだけどWindows RTと同じ匂いがめっちゃするんですよねこれ。
Windows 7 Starterはスペックで縛っているだけで、アプリの制限などはありません(せいぜいMedia Centerがない程度)でした。(快適に使えるとは言っていない)

今回はあくまで「学生向け」を謳っているので、一般ユーザーが文句を言う筋合いではありませんし、学習に使うデバイスとして、学習に使うソフトが使えれば十分なのでしょう。たぶん。

Officeアプリもストアアプリ版が登場

教育現場向け(先生や学生向け)にカスタマイズされたサブスクリプション型Office「Office 365 for Education」は既に提供されていますが、Win10 Sとの併用も今後増えるであろうことから、ストアアプリとしてのリリースも予定されているようです。
Edu版でない一般向けのOfficeもストア版が出るらしいとか。
ソフトの更新がWindowsストア経由で自動で行われるので安心です。

さらに、Office 365 for EducationではMicrosoft Teamsというチャットベースのワークスペースの文教版が使えるようになります。
教師と生徒がクラウドを介して連絡をしたり、小テストやレポートの提出などが出来るようになりそうです。Google Classroomへの対抗ですね。

OEMメーカーも多数、189ドルから展開予定

大量に導入されることが考えられる文教向けマシン、Chromebookが一気にシェアを掴んだのは価格の面も大きな要因だったのではないでしょうか。
Win10 S搭載マシンは189ドルから販売予定とのことで、確実に意識していますねこれは。

OEMメーカーとして、Acer、ASUS、DELL、HP、サムスンに加え東芝と富士通が既に挙げられています。
東芝や富士通の製品が日本で出回る可能性は十分に考えられますが、お高くとまりそうな気がしないでもありません(どうせAcerとかのがモノはいいのに国内で出回らないオチ)。

Win10 Sの特性上、恐らくメーカーのプリインストールアプリなどは入れられないでしょうし、Office Premiumなどをむりくり入れてこられても大学だとOfficeライセンス貰えたりするのでわざわざそれを買う意味がなくなってきます。メーカーごとの特色が気になると同時に、一般販売されるのかもどんなもんだろうかと考えてしまいますね。
単に安いPCが欲しいならAcerやASUSが出しているラインナップで事足りそうですし。

日本で展開される意味を考えてみる。

世の大学生の、いったいどれほどがまともにOfficeを使えるのか知りませんが(まとものレベルについては置いておくとして)、PCやOfficeをろくに使えないまま就職するような学生もいるトカいないトカ。

だからと言って、このような低価格PCを学校側から支給してみて実際に使ってみよう!というのが簡単にいくはずもなく。まずは先生や事務側が十分に使えるようになっていてくれなければ、教育の過程に組み込めるはずがありません。
また、無線LANや電源など環境の問題もあります。

もちろんこうした製品、プラットフォームが世に出るのは素晴らしいことだと思いますが、手放しで「教育にICTだあああああああ」とのたまえるほど気楽ではないはず。
導入の際には、是非とも行き当たりばったりとならないよう関係各所には頑張ってほしいと思います。

ITにある程度明るい学生を育てられる(ようになるかもしれない)、という面ではWin10 Sが導入され、配備される意味は十分にあると思います。
その意味が見い出されるまで、なんか遠そうだなーと思うのが主観ではありますが。

まとめ

どちらかというと、サービスとしてOffice 365 for Educationを展開しつつそのクライアントとしてWin 10Sマシンを使ってくれよなっていう感じでしょうか。
低価格なのは(主に学校側が)大歓迎でしょうが、ユーザーに不満が出るようなスペックでは作らないでほしいところです。パソコン嫌いになられたら元も子もありません。

展開としては非常に興味深いですが、学生はともかく先生に使いこなしてもらわないとせっかくのツールも持ち腐れになってしまうのが懸念されます。
ただでさえ日本の先生方って忙しいイメージなのに、こう新しいシステムだのデバイスだの持ち込まれてキャパ持つんでしょうか。心配です。

日本の文教市場・教育現場に、Windows 10 SはSoulのこもったSuperior Performanceな嵐を巻き起こすことができるのでしょうか。今後の動向に期待です。

同時に発表されたSurface Laptopについては、気が向いたらまとめます。

ソース:

【笠原一輝のユビキタス情報局】Windows 10 SとSurface Laptopを武器に文教市場で反撃の狼煙を上げるMicrosoft  - PC Watch http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1058162.html

速報:教育機関用Windows 10 Sをマイクロソフトが発表。搭載PCは189ドルから、価格でもChrome OS対抗
http://japanese.engadget.com/2017/05/02/windows-10-s-pc-189-chrome-os/

統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103:
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001015843

公立学校のタブレット端末導入が2年で3.5倍増…文科省調査 https://resemom.jp/article/2016/09/01/33526.html

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